警察を維持するお金は誰が払うのか?:所得税と消費税に関する議論

公開日: : 政策

Tax
By 401(K) 2013

政府はなぜ必要なのでしょうか?

このような質問をされたら多くの人は戸惑うかもしれません。政府は存在するものとして我々は育ってきました。しかし、政府が存在しなかったらどうなるのでしょう。道路はボロボロになり、犯罪は増加するなど様々な弊害がでてくるはずです。政府の基本的な存在意義は、みんなが利益を受けるし、市場原理が働かない、もの・サービスを提供することにあります。例えば、警察です。警察は、見回りをしたり、犯罪者を取り締まったりすることで治安を守ります。平和な町は町民全員が享受します。つまり、政府というのは、必要だけど営利企業が行えないことをする機関なのです。

しかし、ここで問題が生じます。誰がこの組織(政府)を維持するお金を払うのでしょう?これが税金の出発点となります。今回は、税金について考え、中でもより身近な所得税、消費税についてみていきます。

裕福な人から取ればいいが、どうやって?

基本的な考えは、お金を持っている人からしかお金はとれませんので、裕福な人からたくさんとろう、という話になります。しかし、あの人は裕福そうだから1000万円税金としてとろう、というわけにはいきません。根拠が必要です。

そこで1つの考えが、所得税という考え方です。所得というのは、懐に入るお金のことです。現在の日本の所得税は、累進課税といって、年収1800万円以上稼いでいる人は所得の40%がとられますが、900万円以上1800万円以下の人は33%、900万以下695万円以上の人は23%とあまり稼いでいない人の税率は小さくなっています。いっぱいもらったんだから、多く払ってよね、ということです。

昨今テレビなどでも度々言われますが、日本政府は赤字です。借金まみれになっています。そのため、収入を増やす=税金を増やす必要があります。所得税でとるとしたら、どうやれば多くのお金をもらえるのでしょう。 裕福な人から多くとればいいのだから、高額所得者の税率をあげるのが一番簡単ですよね。稼いでない人からこれ以上とってしまうと生活ができなくなってしまいますし。

しかし、これには問題があります。あまりに税率を上げすぎると、働く意欲をそいでしまうのです。もし、今のあなたの給料が年収400万円だったとします。あと1日2時間多く働けば、年収が100万円UPするのであれば働こうと思うかもしれませんが、働いても90万円が税金で持っていかれて10万円だったら働こうとしませんよね。
結果として、皆働かなくなるのです。働かない人が増えると、経済が停滞し、国全体が貧しくなってしまいます。
さらに現状は悪化します。

じゃぁ、消費に注目しよう!

そこで、では消費に注目しよう、という話になります。というのは、お金を持っている人はお金を使いますよね。すなわち、多く消費する。だったら、消費することに税をかければ、消費するのが多い人は多く税を払うし、少ない人は少ない税ですみます。これが消費税です。

ところが、消費税にも問題があります。消費税の逆進性というものです。(※1)所得の多い人ほど消費をするという傾向は正しいのです。しかし、ある一定以上になると貯蓄にお金を回す人が増えます。(もう十分だ!という状態になるのですね。)一方で、所得が低い人は生きていくために給料のほとんどを使ってしまうのです。そのため、所得の低い人ほど実際の税率が高くなってしまいます。

消費税の逆進性

必要なものだけ税金かけなければいいのでは?

先ほど述べたように、現在日本政府は金欠ですから、税収を増やしたいと考えています。消費税で税収を増やすとすれば、すなわち税率をあげることになります。そして、現在の5%から将来10%になることがほぼ決まっています。

ここで問題になるのは、所得の低い人たちが生きていくためのもの(生活必需品:食料など)を買えなくなってしまうことです。これに対して今議論されているのが、軽減税率というものです。

軽減税率とは、食料品をはじめとした生活必需品のみ消費税をかけない、あるいは少なくしよう、というものです。しかし、軽減税率にも問題があります。どこで線引きするのか、という問題です。軽減税率を採用している海外で実際に起こっている問題で、パンは消費税がかからないが、クッキーは消費税がかかる、ということが起こります。すると、クッキーのようなパンだったら、消費税がかかるのかどうかということになります。小売店の作業も複雑になってしまうのです。

税金は難しい、しかし考えないと

以上のように、所得税・消費税をとっても様々な場合を考えないといけません。誰しも払う税金は少なくしたいと思いますから。ここで重要なのは、結局誰かが払わなくてはいけないということです。あなたが負担しなければ、他の人の負担が増えることになります

その一方で、税制は国会議員たちによって決められます。国会議員たちの多くは、次の選挙で勝つことを第一の目標にして、活動します。失職してしまいますからね。そこで、彼らはいかに多くの票が取れるかということを考えるのは至極当然のことです。そんな彼ら・彼女らが目を向ける先は、政治に関心があって投票に多く行く層ということになります。このことが何を意味するかは、ご想像にお任せします。

※1 消費税には逆進性がないという意見もあります。詳しくは、消費税増税時の逆進性・低所得者対策のQ&A(大和総研ホームページ)。
※2 2013年1月24日に税制改正大綱というものが公開されました。税制改正大綱とは、今年税制をこのように変えていきますよ、という政府の方針を書いたものです。平成25年度税制改正大綱(自民党のホームページ)にあります。

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