電力会社を選べる時代へ!?:電力の自由化と発送電分離問題

公開日: : 資源・エネルギー

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By matsuyuki

福島第一原発事故以後、東京電力に対する風当たりは強いものになりました。電力という生活に不可欠なものを独占し、利益を得ていた悪い奴らという見方が今は幾分か収まったものの続いています。確かに、独占状況にあるということは基本的に潰れませんから、他の民間企業と比べ、まったりと仕事をしていたことは事実でしょう。しかし、このようなイメージで物事を見てしまうと本筋を見失う可能性があります。

電力業界においてしばしば議論がなされるのは、この独占を崩し、市場原理を導入しようとする電力の自由化問題です。そして、自由化を促進するために必要であるのが発送電分離です。現在、この発送電分離問題が再び議論されています。そこで、今回はこれらの問題について見ていきます。

地域独占状態の電力業界

現在の電力業界は、10個の会社がそれぞれの地域の電力を独占しています。電力会社には、大きく2つの役割があります。1つは、電力をつくる発電。そして、もうひとつ電線を通して電力を送る送電です。発電については大口利用者に対しては発電先を多少選べるようになっていますが、ほとんど浸透しておらず、事実上発電・送電ともに独占状態です。

電力の自由化には発送電分離が必要

市場の独占状態は、一般によくないものとされています。もしも魚屋さんが1つしかなければ、魚が欲しければその魚屋さんにいくしかありません。魚屋さんが悪い人であれば、さんま一尾1万円で売ることもできます。買い物客はそこでしか買えないので、欲しければしぶしぶ買うはめになってしまいます。

このように、市場が独占状態にあると、値段が高くなりがちです。そこで、電力についても同じことがいえる、というように主張する人たちがでてきます。彼らの主な主張は、日本の電気料金は高い、他の企業にも参入を許可して競争させて料金を下げよう、ということです。これが「電力の自由化」と呼ばれるものです。

ここで、電力会社の2つの役割を思い出してください。電気を作る発電と電気を送る送電です。発電については、自由化して競争原理を働かせて良さそうです。しかし、送電については送るルートは一つで十分なので、自由化してしまうと送電線がそこら中に引かれることになってしまいます。一つの家に向かう電線が2本も3本もあったら、効率的とは言えません。無駄です。

なので、送電網は今のままを維持しようという話になります。けれども、送電網を持っているのは各地域の電力会社です。彼らは自分の発電した電力以外を送ることを拒む傾向にあります。だって、自分の発電した電力を売った方がもうかりますからね。他人を儲けさせたくないという心理が働くのは当然と言えます。

こうしてでてきたのが、「発送電分離」という考え方です。すなわち、既存の電力会社から発電部門と送電部門を切り分ける。そして、送電部門はあらゆる会社からの電気を請け負う、というものです。こうすることで、発電部門において自由化を進めようという寸法です。

電力自由化はすべきなのか?

現在電力自由化と発送電分離が再び議論されていますが、しばしばいわれるのは、電力は自由化しても安定供給できるのか、という問題です。独占しているからこそ、停電に対して責任を負うのが今の電力会社です。これについては自由化するほうが安定する、しないという激論が交わされています。

また、電気料金についても必ずしも安くならないのではないか、という点も指摘されることがあります。しかしながら、電力会社の不透明性が際立つ中、発送電分離に向かっています。

参考図書

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