中国のシャドーバンキング(影の銀行)は、なぜ問題になっているのか?

公開日: : 中国

Mao Zedong on Chinese Yuan notes, offering in Samye Monastery, Tibet, January 2011 (Photo: Erik Törner, IMs bildarkiv)
by Erik Törner

中国のシャドーバンキング(影の銀行)が、今問題になっています。

シャドーバンキングが、2007年ごろにアメリカで起こったサブプライムローン問題のように中国で経済危機を引き起こす原因となるのではないか、と疑われています。
そして、サブプライムローン問題と同じように、全世界的な金融危機に発展する恐れも指摘されます。

では、世界経済危機になりかねない、中国のシャドーバンキング(影の銀行)とはどのようなものなのでしょうか?
今回は、シャドーバンキングの仕組み、そして、問題となっている理由についてお話ししします。

中国の銀行は、審査が厳しい

あなたが、もし事業を行うとして、その資金を集めるとしたらまずどこを思い浮かべますか?
家族や友人などを思いつくかたもいるかもしれませんが、一般的に銀行を思い浮かべるでしょう。

中国にももちろん銀行があります。
しかし、銀行からお金を借りるのは大変です。
中国は規制が厳しく、そのため基本的に大企業などの信頼性の高い組織やプロジェクトしかお金を借りることができませんでした。

シャドーバンキング(影の銀行)の登場

ただ、中小企業などもお金が必要になります。
そこで、シャドーバンキング(影の銀行)が登場します。

この影の銀行は、中小企業などの信頼性の低い組織やプロジェクトにお金を投資します。
その代わり、利子を多くとります。
通常の銀行が100万円借りたら、104万円にして返してね、というところを、100万円に対して110万円で返してね、といいます。

貸したお金が返ってこないリスクが高いのですから、利子を高くとるのは当然です。

理財商品(WMP)でリスクを減らそう

シャドーバンキング側としても、信頼性の低いところにお金を貸しているのは不安です。

お金が返ってこない場合の保険をかけることを考えました。
理財商品(WMP)と呼ばれるものです。
信頼性の低いところにお金を貸すと利子が多く取れると先ほど言いました。
その多い利子の一部をあげる代わりに、もしもお金が返ってこなかったら、保障してね、というのが理財商品の本質です。

一つのプロジェクトに対して、保障してね、というとリスクが高くて買う人は多くありません。
もしも、そのプロジェクトが失敗すれば、お金を失うだけですから。

そのため、シャドーバンキングは、複数のプロジェクトを混ぜて理財商品にします。
色々な案件を混ぜて、一つ失敗したとしても、他の案件が大丈夫であれば、全体として損失は少ないので、リスクは少ないです。

そのため安全に儲けられるとして、この理財商品を企業や個人が多く買っているのです。(※1)


Shadow_Banking
シャドーバンキング(影の銀行)の仕組み

しかし、実際は?

ただ、安全だというのは中国の経済が上向きという前提がありました。
中国経済が上向きであれば、信用性の低い組織もお金を返すことができたからです。
しかし、中国の経済は今失速傾向にあります。

理財商品の多くは、不動産関連事業に投資していますが、不動産価格の下落も起こっており、先行きが怪しいのです。
つまり、理財商品に組まれている複数の案件のほとんどが、うまくいかなくなる可能性があります。

しかも、理財商品の問題は多くの個人や企業が持っていることで、理財商品がうまくいかなければ、損失を被る範囲が広いのです。
すると、中国経済が大きな影響を受けるのではないか、と懸念されています。

※1理財商品のための理財商品、つまり理財商品で損失が出た場合に保障する理財商品、などもあり、様々な形で広がっています。

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