いま、世界経済の中心的テーマとなっている量的金融緩和政策とは何か?:新興国バブルとの関係性

公開日: : テーマ解説

The Federal Reserve
by futureatlas.com

量的金融緩和政策、という言葉を聞いたことがありますか?
英語では、Quantitative Easingといい、アメリカではQE3などと略されます。
(3という数字は、量的金融緩和政策の3回目という意味です。)

この量的金融緩和政策というのは、難しい言葉ですが、今の世界経済を語る上で必要不可欠です。
そこで、今回は、銀行の役割から、量的金融緩和政策とは何か、ということに迫り、最後には、量的金融緩和政策が引き起こした新興国バブルについてお話しします。

銀行の種類:中央銀行と市中銀行


中央銀行と市中銀行中央銀行と市中銀行

銀行と言うと、多くの人は、みずほ銀行だとか、三菱東京UFJ銀行だとかを思い浮かべるかもしれません。
これらの一般の人から預金を預かったり、お金を貸したりする銀行を、市中銀行と言います。

市中銀行以外にも、中央銀行という銀行があります。
中央銀行は、1つの通貨に対して1つ存在します。つまり、日本の場合は、円という通貨に対して、日本銀行という中央銀行があります。

中央銀行は、政府とは独立していますが、密接な関係を持っています。

中央銀行は、銀行の銀行である

中央銀行の役割は色々あるのですが、ここでは、中央銀行が市中銀行にお金を貸す、という役割を覚えてください。
例えば、日本銀行はみずほ銀行にお金を貸しているのです。そして、みずほ銀行はそのお金を会社であったり、個人に貸します。

お金を借りると、利子というものを払わないといけません。
例えば、100万円借りたら、105万円にして返します。
この差額の5万円が、銀行の利益になるのです。

例えば、みずほ銀行は、日本銀行から100万円借ります。
この時、日本銀行はみずほ銀行に対し、102万円にして返してと言います。
すると、みずほ銀行は、ワカル株式会社(例です。)に対して、100万円を貸す時に、104万円にして返してね、といいます。
みずほ銀行は、104万円をワカル株式会社から返してもらい、そのうち102万円を日本銀行に返すのです。
すると、みずほ銀行は2万円の利益を得られるのです。

中央銀行は、利子を調整して、市中銀行をコントロールする


金利政策金利政策

市中銀行が、お金を貸しすぎても、貸さなすぎても、経済はよくなりません。
市中銀行がお金を貸さなければ、会社が工場などを作れなくなって、景気が悪くなるのはわかると思います。
でも、市中銀行がお金を貸しすぎても、だめなんです。
誰も住まないマンションをお金を借りて作っても、そのお金が回収できなくなって、景気が悪くなるんです。なので、市中銀行がお金を貸しすぎず、貸さなすぎないように、中央銀行はコントロールしなくてはならないんです。

どのようにコントロールするかというと、市中銀行に貸すお金の利子を調整するんです。

先ほど、日本銀行はみずほ銀行にお金を貸す時、100万円を102万円にして返してね、といいました。
これが、101万円だけ返してくれればいいよ、という話だったらどうなるでしょう?
みずほ銀行がワカル株式会社に100万円貸す時に、103万円返せばいいよ、ということになりますよね。

こうすると、会社や個人はお金が借りやすくなりますよね。
このようにして、中央銀行は市中銀行をコントロールし、経済を安定させようとしているのです。

しかし、金利がゼロになってしまう→量的緩和政策しかない!

近年、日本やアメリカ、ヨーロッパでは、市中銀行がお金を貸さなくなっている傾向がずっと続いています。そのため、日本やアメリカ、ヨーロッパの中央銀行は、ほとんど金利をゼロに近くしているのです。これをゼロ金利政策と言います。

中央銀行は市中銀行に100万円、タダで貸すから、色々な企業や個人に投資してくれ、としているのです。それでも、市中銀行は中央銀行の期待した程には、個人や企業にお金を貸しませんでした。

そこで、量的金融緩和政策というものが取られます。
どういうことかと言うと、市中銀行の国債などの資産を中央銀行が買って、市中銀行にお金を与えようというものです。市中銀行はお金を持ったままでは意味がないので、色々な企業、個人に投資してくれるだろう、という算段です。

一部のお金は新興国(ブラジル、ロシア、インド、中国など)へ

現在、アメリカ、日本などが量的金融緩和政策を取っています。そのため、市中銀行にはお金がたくさんあります。
その一部のお金が、発展途中の新興国、ブラジルやロシア、インド、中国といった国を中心に行きました。そして、新興国バブル、と呼ばれるように、ブラジルなどの新興国は好景気だったのです。

しかし、今、アメリカがそろそろ量的緩和政策をやめるのではないかという憶測が流れ、急速に、新興国からお金が引き揚げられています。結果として、現在、新興国が不況にあえぎはじめているのです。

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