人類が国境をなくすことはできないのだろうか?:EU(欧州連合)の歴史と問題

公開日: : ヨーロッパ

Brussels-20
by Matt May

ヨーロッパでは、国境をなくそうという大きな試みがあります。
その中心は、EU(European Union:欧州連合)です。

6か国から始まったヨーロッパ統合の動きも、いまやヨーロッパの大半28カ国がEUに加盟するまでになりました。
しかしながら、今、EUは崩壊の危機にさらされています。

なぜなのでしょう?
今回は、EUについてのお話です。

ヨーロッパ統合の進展

1900年代前半、ヨーロッパは、2度の世界大戦の中心地でした。
特に、第二次世界大戦では、ヨーロッパのみで3500万人程度の犠牲者がでています。

大量の死者がでた世界大戦を経て、ヨーロッパはもう二度と戦争しまいと決意するようになります。
こうして始まったのがヨーロッパ統合始まりです。

ヨーロッパの統合はまず、石炭や鉄鉱石といった当時の産業に最も必要な資源を共同管理することから始まりました。(欧州石炭鉄鋼共同体)
というのも、石炭・鉄鋼は軍事的にも有力な資源であり、しばしば争いの標的になったからです。

その後、経済の統合を進め、関税を統一したり、国境をパスポートなしで超えられるようにしたり(シェンゲン協定)、どんどん統合の度合いを強めていきます。

2002年には、ヨーロッパの大半の国々が、ユーロという単一通貨を使うこととなりました。

ヨーロッパ統合に立ちはだかる文化対立

このように、ヨーロッパは統合を進めていったわけですが、順風満帆であるわけではありません。
問題も多く存在します。
特に問題となっているのは、移民問題の問題です。

EUに加盟している国の多くは、シェンゲン協定を結んでいます。
普通、国から国へ移動する場合はパスポートを提示し、身分を明らかにする必要があります。
しかし、ヨーロッパの多くでは、パスポートなしに移動することができるのです。

そのため、経済的に遅れた地域から仕事を求めて経済の進んだ地域に移動する移民が大変多いのです。
こうした移民は少しでもいい生活をしようと安い賃金でも働くため、経済の進んだ地域の人々の中には仕事を奪われたと感じている人もいます。
さらに、移民の中には文化の違いから地域になじめず、孤立してしまうものも少なくありません。
こうした閉塞感から犯罪に手を染める移民も少なくないのです。

結果として、ヨーロッパの特に進んだ地域を中心として、移民に対する悪い感情が強くなってきているのです。

反EU/反移民を掲げる政党の台頭

そして、近年、ヨーロッパ各国で勢力を伸ばしているのが、移民の廃絶やEUからの離脱を求める政党です。
もともとこうした政党は、存在はしていましたが、そこまで支持を受けるレベルのものではありませんでした。
しかし、移民の引き起こす問題などから一定程度支持を受けるようになってきました。

EUの国会である欧州議会でも次の選挙で、反EU/反移民の政党が存在感を示すのではないか、といわれています。
こうなってくると、反EUの政党が、EUを崩壊させようとするかもしれません。
ヨーロッパ統合の夢は、今、大きな壁に直面しています。

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