大阪都構想についてわかりやすく解説します

公開日: : 政策

"On a stormy sea of moving emotion"
by Benjamin Balázs

いよいよ5月17日(日)に大阪都構想の住民投票がなされることになりました。
現在、大阪は大阪府の下に大阪市があり、その下に区があるという構造です。
住民投票で賛成多数となれば、大阪府が大阪都になり、大阪都のしたに区がおかれるという構造になります。(※1)

どうしてこんなことが必要なのか?
大阪都構想っていいのか?悪いのか?
賛成派、反対派が様々な観点から意見を主張しており、よくわからないという人も多いのではないでしょうか?

そこで、今回はできる限りわかりやすく大阪都構想についてみていきたいと思います。

今の役所組織には無駄がある(賛成派の意見)

大阪都構想を打ち上げたのは、橋本徹大阪市長です。

どうして彼がこういった構想を持ち出すことになったかというと、大阪市の財政が危機的な状態にあるからです。
大阪市の借金は一人当たりにすると東京の13倍もあります。
これをどうにかしなければ、というところが出発点にあります。

では、どうしてこれだけの借金を背負うことになってしまったのか。
橋本市長は大阪府と大阪市が同じようなことを別々にやってしまっているからだといいます。
よく言っているのが、りんくうタウンゲートタワーとテクノポート大阪WTCの例です。
同じようなビルを多額の費用をかけて、府と市が別々に作ってしまったんです。
さらに、府と市はそのビルの高さを競って、建設費用を増やしてしまいました。
その結果として、両方とも採算がとれず、大きな赤字を出してしました。
こうしたことによって財政悪化を招いたと言っています。

それでは、なぜ府と市の役割分担がうまくいかなかったのでしょうか?
橋本市長はこれを役所の組織構造の問題であると考えました。

つまり、大阪府>大阪市>区という構造自体が問題であるというのです。
これを大阪都>区の構造にすることで無駄をなくそうとしています。(※2)

こうすることで、大阪都が大きな視点から都市開発を行い、区が福祉政策などを担うといった分担ができるといっています。

議会によって解決できる問題(反対派の意見)

一方で、反対派の人たちはそうは考えていません。
大阪都構想には、自民党、民主党、共産党が反対をしています。

自民党も二重行政の存在については認めています。
しかし、大阪都構想などなくても二重行政は解消できるとしています。

どうやって解消するかというと、大阪府知事と大阪市長、議員らが集まり、重複部分を洗い出し、分担していこうというのです。

実際、現在も府市統合本部というのがあり、府と市の分担を進めています。
こういった取り組みを続けていけば、わざわざ大阪都構想のようなコストのかかる改革をしなくても十分に財政再建ができるといっています。
むしろ大阪都構想が実現すれば、住民サービスの低下など悪影響が大きいとしています。

効果の読みにくい政策

多くの人が気になるのが、それで結局のところ大阪都構想でどれほどの効果が得られるのかということかと思われます。
ただ、この効果については賛成派反対派ともに言い分がだいぶ食い違っており、実際どうなるのか、というところについては不明瞭です。
効果の観点も、住民サービスが下がるのか、現在の大阪市が損することはないのか、など多様な観点があります。

ですが、やはり最も重要な観点というのは、財政効果です。
そもそもの目的がそこにあり、住民サービスの向上なども財政が改善されればなされる可能性が高いからです。
なので、財政効果について最後に見ていきます。

橋本市長は、大阪都構想が実現し、改革が進むことで2700億円もの効果が見込まれるとしています。
それに対し、反対派はせいぜい1億円程度としています。

どうしてこのように大きく食い違ってしまうのでしょうか?
それは、維新の会は大阪都構想実現によって改革が進んだことによる全効果を合算しているのに対し、
反対派は大阪都構想によって府と市が一体化してことによって生じる効果を算出しているからです。

橋本市長は、大阪都構想が実現しなければ必要な改革を進めることはできないと考えており、合算した額を出しているのです。
一方、反対派は先に述べたような議論の中で改革は進められるので、そうした効果額を省いて算出しています。

1億円でも効果がでればいいのではないかと思う人もいるかもしれませんが、大阪都を実現するためには新たに庁舎を作るといった必要あがるため600億円ほど初期コストがかかってしまうのです。 なので、反対派の言うとおりであれば損をすることになります。

大阪都構想に関しては、双方が全く異なる計算をしてくるため多くの人が混乱してしまっているように思います。
どうすればよりよい大阪になるのか、大阪市民の判断が待たれます。

※1府から都への名称の変更は今回の住民投票だけではできませんが、賛成多数となれば比較的スムーズにいく可能性が高いです。
※2厳密には、現在の区と大阪都実現後の区は異なります。現在の区よりも大阪都構想の区は権限が強く、行政範囲も大きくなります。

関連記事

あなたはどう思いましたか?



※承認制ですので、必ず表示されるようになる、というわけではありません。ご了承ください。

  • 2015/01/13 サイト名を「わかるニュース」に変更しました。

    2014/08/25 本サイトの記事が、日本語の教科書として使用されました。(Monty's Bridge to Tomorrow (モンティの明日への架け橋)のユニット8 (Unit 8 Energy)の11ページから13ページ)

    2014/01/13 サイトリニューアルを行いました。

  •  Author:あきひろ
     最新ニュースの中から話題のニュースを選び、できる限りわかりやすく解説していきます。「ここがわからない!」という点がありましたら、メールください!
     メールアドレスは、ak89newsあgmail.comです。(あを@に変えてください!)

PAGE TOP ↑