残業代ゼロ論争:正当な成果の評価か、長時間労働の助長か

公開日: : 最終更新日:2014/06/06 ビジネス

And the Work Begins . . .
by Nishanth Jois

あなたの働き方が大きく変わるかもしれません。

安倍首相は、「労働時間ではなく、成果を評価する働き方」を推進するとしています。
マスコミなどでは、「残業代ゼロ」と報道されています。

どうして大きく働き方を変える必要がでてきたのでしょうか?
今回は、残業代ゼロ論争について考え、賛成派と反対派の意見を見ていきます。

残業代ゼロとは?

そもそも残業代ゼロの発想の発端は、欧米で採用されているホワイトカラー・エクゼプションという制度です。

ホワイトカラーとは、頭を使って仕事をする人たちの事を言い、反対語は、ブルーカラーで、体を使って仕事をする人たちのことです。
ホワイトカラーは事務系の仕事をする人達で、ブルーカラーは工場で働くような人たちを言います。

ホワイトカラー・エクゼプションとは、主にホワイトカラーが働く時間を自身が自由に決められる制度です。
自分で自由に働く代わりに、残業代を支払わなくてもいい、という仕組みです。

もちろん、全ての人に適用されるわけではなく、今回案として挙がっているのは、以下の2つのパターンです。
 1.年収が1000万円以上
 2.本人が同意した場合
当初、1番目だけだったのですが、2番目が加わりました。
「本人の同意した場合」については、かなり根強い反発があります。

労働時間でなく、成果で評価されるべき(賛成派の意見)

残業代ゼロに賛成の人たちの主な主張はこうです。

そもそも、労働時間によって給料が増えるのは、労働時間によって生産が増えると考えているからです。
例えば、商品を袋詰めする仕事があったとしましょう。
8時間袋詰めした場合と、10時間袋詰めした場合、どちらが袋詰めした数が多いでしょうか?
同じ人が行えば、10時間袋詰めした場合でしょう。
袋詰めした数が多くなったので、それだけ多く商品が売れます。
なので、多く給料もらうことに問題はありません。

しかし、一方で、企画書を作る仕事はどうでしょう?
8時間で要点を絞り、期待の持てる企画書を作った場合と、12時間でただ長いだけの企画書を作った場合。
8時間で作った企画書のほうが会社に利益をもたらしたとしたら、どちらにお金を多くあげるべきでしょうか?
ただ、長くがんばったから、といって8時間かけた使えない企画書にお金を多くあげるべきなのでしょうか?

現在の制度では、同じ給料体系だった場合、多くの会社で12時間でただ長いけの企画書を作った場合のほうが、残業代をもらえるので、お金を多くもらえることになります。
それは間違っているでしょ、働いた時間ではなく、利益をもたらした度合いに応じて給料もらおうよ、というのが主な主張です。

長時間労働がますますひどくなる(反対派の意見)

一方で、反対する人たちの主張はこうです。

そもそも現在の日本の会社の多くは、本来残業代が発生するはずなのに残業代を支払わない、サービス残業が横行しています。
このような状況の中で、残業代ゼロの制度を導入してしまえば、ますます残業を強要されるのではないか、という懸念があります。

さらに、日本の会社の多くは、チームで仕事をしています。
個人の成果によって給料を支払うといっても、個人の成果自体があいまいです。
チームで成し遂げたことがあったとして、そのチームの1人がどれだけその成果に貢献したか、図ることは難しいです。

加えて、心理的な問題もあります。
短時間で成果をあげている人よりも、長時間必死で働いて成果が出ない人を評価してしまうことも多々あります。
頑張っているから、と評価を上げてしまうのです。
こういった心理がある限り、なかなか正当な評価をすることは難しいでしょう。

給料というのは、多くの人に大きな影響を与えるものです。
正当に評価されるのか、生活できるのか、様々な論点があります。
だれにどれだけお金をあげるのか、これからも社会の模索は続くことでしょう。

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