忘れられる権利と知る権利のジレンマ

公開日: : テーマ解説

Computer Keyboard
by Marcie Casas

あなたは自分の名前を検索したことはありますか?

現在では、ヤフーやグーグルで検索すればだいたいの情報を集めることができます。
あなたの過去だってネット上にデータが存在していれば見れてしまうのです。

少なくない会社で新入社員の情報を検索してSNSなどを通じ、どういう人間か確認することをしているとも言われています。

ただ、人間ですから、知られたくない過去の1つや2つあるでしょう。
そういった情報も全て筒抜けになってしまうとしたらそれは恐ろしいことです。

実際、知られたくない情報が漏れてしまう人もでてきており、今後より一層増えることでしょう。
では、知られたくない情報はどうやって知られないようにすればいいのでしょうか?

今回は、「忘れられる権利」について考えていきます。

検索の仕組みについて

今回の問題を考えるにあたっては、グーグルやヤフーの検索エンジンの仕組みを知っておく必要があります。

あなたは、グーグルやヤフーで何かを検索したことはありますよね?
入力した文字に関連性の高い、質の高い情報が表示されます。

検索結果に表示される情報はどうやって収集されているかというと、クローラと呼ばれるプログラムが自動的に収集しているんです。
リンクをたどって、クローラはインターネット上をさまよいます。
クローラが収集した情報を元に、グーグルやヤフーは検索された文字で最も関連度の高い情報を提示しています。

ここで重要なのは、検索会社はプログラムによって自動的に収集されたデータを一定の法則に基づいて自動的に提示している、という点です。

忘れられる権利とは?

「忘れられる権利(right to be forgotten)」は、人権意識の高いヨーロッパでうまれました。

恋人との恥ずかしい写真が流出してしまったり、若い時にキャバクラなどで働いていたり、といったあまり人に知られたくない情報が漏れてしまうことはままあります。
以前から個人の情報が流出した場合は、サイトの運営者に削除を求めることはありました。

今回の「忘れられる権利」にて特徴的なのは、そのサイトの情報を収集しアクセスしやすい状態にしているヤフーやグーグルなどの検索サイトに対して、情報をアクセスできないように削除することを求める点です。なので、消去権(right to erasure)という言葉も使用されるようになってきています。

先ほども述べたように、検索会社はプログラムで自動的に収集したデータを表示しているにすぎません。
なので、もし表示させたくないのであれば、そのサイトの運営者に言ってくれ、というのが検索会社側の言い分です。

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しかし、近年、検索会社もプライバシーを侵害しうるとしてきているのです。
明確にプライバシーを侵害しているのは、検索結果のタイトルやプライバシーを侵害しているサイトからの情報の一部を提示している部分(スニペットと言います。)です。
こういった場合には、裁判所から削除命令が下されることになりました。

微妙な問題も…

ただ、人権侵害だからといってなんでもかんでも削除してくれと言われては、社会的に必要な情報も手に入らなくなってしまう可能性があります。

例えば、政治家が不正にお金を使っていた、といったニュースに対し、政治家がプライバシーの侵害などと言い出したらたまったものではありません。
ですから、それが事実であり、社会的に意味のある情報であれば消すことはできないとされています。

では、過去に罪を犯した人が刑期を終え、社会復帰した場合はどうでしょう?
過去の犯罪歴が検索するとばれてしまうのは人権侵害になるのでしょうか?

こういったケースは状況によって判断がわかれると考えられます。

どこまでがプライバシーの侵害なのでしょうか?
インターネット社会は新しく法制度が追い付いていないのが現状です。
どういう制度であれば、より良い社会を築くことができるのでしょうか?
私たちは考えていかねばなりません。

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