タイの政治対立:タクシン派と反タクシン派、そして、国王、軍

公開日: : アジア

Longboat on the beach / Krabi / Thailand / 27.01.2011
by Mikhail Koninin

微笑みの国、タイの政治が安定しません。
日本では、政治的な関心が低い人が多く、大規模なデモが起こることはもはやありません。
しかし、タイでは大規模なデモがたびたびおき、街を占拠するといったこともおきます。

なぜ、このような激しい対立が起きているのでしょうか?
今回は、タイの政治対立についてのお話です。

タクシン派と反タクシン派

タイの政治での対立は、タクシン元首相を支持するタクシン派と支持しない反タクシン派において起こっています。
日本における民主党と自民党の対立よりもずっと激しく、支持者がデモを行ったり、国際空港を占拠したり、かなり根強い対立です。

対立の原因は、タクシン元首相が農民を優遇する政策を取ったことにあります。
タイでは、農民のほうが都市部の住民よりも多いです。
そのため、農民の支持を得られれば選挙で有利になると考えたタクシン元首相は農村に多額のお金を融資したり、格安の料金で診療が受けられるようにしたりしました。

しかし、このことは都市部を中心とした中間層(エリート層)にとってはあまりいいことではありませんでした。
というのも、都市部で稼いだお金を農村部にばらまくといった政策だったからです。
数では農民のほうが多く勝てないので、「中間層の人間が当選しやすいように選挙制度を変えろ。」と主張して黄色をシンボルカラーとして過激なデモを行いました。
それに対して、タクシン派も赤色をシンボルカラーとして対抗しました。

大人気のブミポン国王

タイには、王様がいます。
現在の王様は、通称、プーミポンアドゥンラヤデートというのですが、日本ではブミポン国王と呼ばれることが多いです。

ブミポン国王は、タイの人々から大変人気があります。
というのも、農民たちと親身になって話したり、貧困をなくそうと自ら率先して活動するなど、タイの国のために献身的に身を捧げているからです。

反タクシン派のシンボルカラーの黄色も国王の色です。
タクシン派の人たちの多くは国王を否定するようなことはしませんが、反タクシン派としてはこれだけ人気の国王をないがしろにするのがタクシン派だ、と印象付けようとしています。

クーデターを起こすタイ王国軍

また、軍隊も政治に大きな影響力を及ぼしています。

かつての国王が、軍隊を重視したこともあり、タイ王国軍はエリートが集まっています。
エリートが多いため、反タクシン派の傾向が強いです。
政治にも深く関与しており、国内の対立が激化した場合など武力を背景にしばしばクーデターによって政権を倒します。

多くの場合、クーデターの後、国王を謁見します。
皆が信頼のおける国王の後ろ盾を得て、クーデターが正統なものであると主張します。

このように、民主主義を超越した存在がタイにはあり、政治がなかなか安定しないのです。

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