日本郵便が2024年10月から実施する郵便料金の値上げについて詳しく見ていきましょう。この記事では、主に通常はがきと年賀はがきの料金が70円から84円に20%も引き上げられることが報じられています。この値上げの背景には、原材料費や輸送コストの上昇があり、収益の確保とサービスの維持が目的とされています。
参考記事:郵便料金の値上げ、年賀はがき84円に 10月から値上げもネットサービス拡充で影響軽減へ
参考記事:郵便料金の改定について
郵便料金値上げのわかりやすい解説
郵便料金の値上げは、多くの人にとって影響を与える問題です。特に、年賀状を毎年送る人々にとって、この値上げは負担増となります。一方、日本郵便は2024年3月期連結決算で、最終(当期)利益が前期比37.7%減の2686億円、郵便・物流事業の営業損益は686億円の赤字(前期は330億円の黒字)となっているので、赤字事業の収益改善は郵便事業を継続するためにも非常に重要です。
日本郵便は、ネットサービスの充実を行って郵便料金の値上げ影響が出づらいようにはしていく動きをしています。例えば、オンラインでの年賀状作成や送付サービスの利用が推奨されており、これによって手軽に年賀状を送ることができますが、ネットにしてわざわざ年賀状作成をするのかは微妙です。
主な値上げの郵便料金一覧
郵便物の種類 | 現行料金 | 改定後料金 | 値上げ率 |
---|---|---|---|
通常はがき | 70円 | 84円 | 20% |
年賀はがき | 70円 | 84円 | 20% |
定形郵便物(25gまで) | 82円 | 94円 | 14.6% |
定形外郵便物(50gまで) | 120円 | 140円 | 16.7% |
この記事で知っておきたい用語
郵便法施行規則の改正
郵便法施行規則の改正は、郵便料金やサービスの内容を現代のニーズに合わせて変更するために行われます。これにより、郵便料金の改定が実施されることになりました。
DX(デジタルトランスフォーメーション)
日本郵便が推進するDXは、AIやIoT、クラウドコンピューティングなどの先端技術を活用して、郵便業務の効率化や新たなサービスの開発を目指しています。これにより、従来の郵便サービスに新たな価値を付加し、顧客満足度を向上させることが期待されています。
賃上げと適正な価格転嫁
日本郵便は、従業員の賃金を適正に引き上げるとともに、増加するコストを郵便料金に反映させることで、持続可能な経営を目指しています。このような取り組みは、企業としての社会的責任を果たし、安定的な郵便サービスの提供を維持するために重要です。
値上げられた郵便料金一覧
種類 | 重量 | 9/30まで | 10/1以降 |
---|---|---|---|
定形郵便物 | 25g以内 | 84円 | 110円 |
50g以内 | 94円 | ||
通常はがき | 63円 | 85円 | |
定形外郵便物 規格内※ | 50g以内 | 120円 | 140円 |
100g以内 | 140円 | 180円 | |
150g以内 | 210円 | 270円 | |
250g以内 | 250円 | 320円 | |
500g以内 | 390円 | 510円 | |
1kg以内 | 580円 | 750円 |
種類 | 重量 | 9/30まで | 10/1以降 |
---|---|---|---|
速達 | 250g以内 | 260円 | 300円 |
1kg以内 | 350円 | 400円 | |
4kg以内 | 600円 | 690円 | |
特定記録郵便 | 160円 | 210円 | |
一般書留および現金書留 | 480円 | ||
簡易書留 | 350円 | ||
レターパックプラス | 520円 | 600円 | |
レターパックライト | 370円 | 430円 | |
スマートレター | 180円 | 210円 |
このように、ほとんどの郵便物の料金が10円から20円程度引き上げられることがわかります。
わかるニュースの編集メモ
今回の郵便料金値上げは、多くの人にとって不便を感じる部分もあるかもしれませんが、郵便事業を維持するためには避けられない措置と言えるでしょう。今後も、郵便事業が持続可能な形で続いていくために、私たち利用者もサービスを積極的に利用し、支えていくこと「も」重要だと感じました。
一方で、ネットサービスで年賀状が送れるとかは、プラットフォームがあってない気がします。ネットから送れる時点で実態がある「はがき」は不要なのではないかと。そういうことではなく、本質的にはモノが物流する、信書が送れるということを突き詰めた時、昔ながらの住所や名前が表に露出したまま送られてくるシステムは昔のままであるということのほうが、課題ではないかと思います。
どういうことかというと、郵便物という個人情報が表に書かれているものが普通に世の中に露出した状態でやり取りされていることに、会社ならともかく、個人には違和感を感じる人も多くなってくるのかと考えます。
個人情報保護観点からは、メルカリの匿名配送ができている時点で、郵便局が匿名配送プラットフォームを用意するというのもありなわけで、しっかりとした身元確認ができた上でそのようなサービスを作る(利用できる人を増やしていく)というのもありなのではないかと思いました。郵送という仕組みはなくならないけれど、今の時代にフィットさせる、そういう取り組みは評価されると思います。どうでしょう。
さらに詳しく 新切手などの発売日
郵便料金の改定は、郵便事業の持続可能性を確保するために必要な措置です。日本郵便は、物流コストや労働力のコストが年々上昇している現状を受けて、収益を確保しつつもサービスの質を維持するために料金改定を行うことを決定しました。
変更後の料金および差額に対応した額面の郵便切手、郵便はがき、レターパックなどを2024年9月2日(月)から販売。販売される普通切手などの一覧はこちらです。
10月1日(火)に、ゆうパック、ゆうパケット※ただし、受取人払および着払などの手数料は、郵便料金に合わせて変更、ゆうメール※ただし、受取人払および着払などの手数料は、郵便料金に合わせて変更 は、料金は変わりません。
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