夏の風物詩「冷やしキュウリ」は、適切に管理しないと食中毒のリスクがあります。2014年には静岡市の花火大会で510人がO157に感染し、114人が入院しました。O157やサルモネラは牛の腸管内に多く存在し、糞便を介して野菜を汚染します。浅漬けは調味料が細菌のエサとなり、温度管理が不十分だと食中毒のリスクが高まります。細菌は高温で急速に増殖するため、冷やしキュウリの販売には厳格な温度管理が必要です。
参考記事:味付け「冷やしキュウリ」にO157が大増殖するメカニズム 100本中1本でアウト「食中毒」のコワい実態
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食中毒の事例 冷やしきゅうりや和え物で発生
2014年7月、静岡市の花火大会で、露店の冷やしキュウリを食べた510人がO157による食中毒を発症し、114人が入院しました。2016年には千葉県と東京都の老人福祉施設で提供された「キュウリの和え物」で10人が死亡するという事態も発生しました。
家畜の腸内環境との関係
O157やサルモネラは牛などの家畜の腸管内に多く存在します。家畜の糞便が野菜や水を汚染し、それが人に感染することがあります。東京農業大学の五十君靜信氏によれば、牛の腸内からO157が検出される割合は6月後半から10月にかけて約25%に達します。
調味液が細菌のエサになる
特に浅漬けは、塩やうまみ成分などの調味料が加えられ、長時間保管されることで細菌が増殖しやすくなります。温度管理が不十分だと、O157が少量でも食中毒を引き起こす可能性が高まります。
わかるニュースの編集メモ
夏のイベントで冷やしキュウリを安全に楽しむためには、衛生管理の重要性を理解し、自身でも注意を払うことが大切です。特に浅漬けのリスクや温度管理の重要性は、普段あまり意識しない部分かもしれません。購入時には「低温で管理されていましたか?」と尋ねることで、安心できるかもしれませんが、「低温で管理していましたか?」なんて聞くのは難しい。置いてある状態を見て、自己責任で判断するしかありません。
温度管理で言うと20〜25度から菌が増殖するが、30度で2倍、35度で4倍になるということを考えると、30度近い温度ではよく冷えていない、水に入っていない冷やしきゅうりなどは食べないようにするなど、自身で取り決めるのがよいでしょう。自身で身を守るしかありませんね。
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冷やしキュウリの衛生管理
生野菜は洗浄しても表面に細かい毛が生えているため、完全に細菌を洗い流すことは難しいです。また、伝統的な漬物と異なり、浅漬けは塩分濃度が低く、乳酸菌が十分に発酵しないため、雑菌の繁殖を抑える効果が弱いです。
温度管理の重要性
細菌は20〜25℃で増殖しますが、30℃では約2倍、35℃では約4倍のスピードで増殖します。したがって、猛暑の中で冷やしキュウリを販売する場合、精度の高い温度管理が求められます。
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